HANEDA INNOVATION CITY 展示プロデュース
展示・アートワーク、インタラクティブコンテンツ制作、空間演出
2020年7月に、羽田空港近くの天空橋にオープンした「HANEDA INNOVATION CITY」。先端産業と文化産業の掛け合わせによって未来志向の新たな体験や価値を生み出し、国内外へ発信する大型複合施設です。その一角にある「羽田みらいサイエンスギャラリー」の常設展示「ハローマイワールド わたしたちは細胞でできている展」のプロデュースをアマナで手がけました。
新たに誕生する“イノベーティブな街”に
ふさわしい展示コンテンツとは
世界中のヒト・モノ・コトが行き交う、空の玄関口として発展してきた「羽田」。異なる発想や⽂化が交差し、新たな価値を⽣み出す街として歴史を刻んできました。
その地に誕生した「HANEDA INNOVATION CITY」には、「先端モビリティ」「健康医療」「ロボティクス」などの未来の暮らしをつくる企業が集まり、文化の領域では「伝統」「観光」「食」「温泉」「音楽・映像・演劇」「芸術」を軸にさまざまな体験が用意されています。
“インスピレーションとの遭遇”をコンセプトに、誰もが自由に行き来できるオープンスペースとして設けられたギャラリー空間で表現すべきストーリーは何か。検討を重ねました。
未来を担う子供たちに、先端技術を通して
“世界の見え方がちょっと変わる”体験を
今を生きる子供たちは、物心ついた頃からインターネットはおろか、スマートフォンやSNSも自分の一部かのように認識する、いわゆるデジタルネイティブと言われる世代です。彼らにこそ、“インスピレーションとの遭遇”のきっかけを提供すべきではないか。そこから展示テーマを紐解いていきました。
当たり前に存在している自分の身体を「細胞」という窓から捉えてみることで、自らの内側にまだ見ぬ世界が果てしなく広がっていることを想像してみてほしいという思いから、「細胞」にフォーカスした展示を検討。
理化学研究所で細胞の透明化解析技術を研究する上田泰己チームリーダーの協力を得て、何十兆という細胞の集合体である生物を読み解き、美しいビジュアルとともに新たな発見を得られる空間を構成しました。
難解な研究をわかりやすくかみ砕き、親しみやすいデザインに仕立てながらも、キャラクターを使ったり、子供に語りかけるような口調を避けたフラットな表現を徹底。展示パネルの説明テキストは、大人、子供それぞれの目線の高さに合わせて内容を変えています。
下方のコンテンツは上方より内容がやさしく、ルビを振っている。
展示パネルを読み進めた先には、研究のために透明化したネズミの脳の標本をブルーライトで照らして観察できる、体験型の展示を設置。
会場後方に設置したタッチパネルのインタラクティブコンテンツでは、外部の情報がどのように取り入れられ、いかに脳に作用して知覚されるかというプロセスを、ネズミの脳を例にとってビジュアライズ。研究室の生データをアプリケーションに起こし、子供たちがタッチパネルを操作しながら、脳の中に広がる小宇宙を直感的に理解できるように仕上げました。
アマナの中でも自然科学分野に精通したNATURE & SCIENCEチームのエディトリアルスキルと、インタラクションデザインを得意とするFIGLABの知見が発揮された、アマナのトータルプロデュース事例。難解な先端科学の研究内容を読み解き、クリエイティブの力で多くの方の目に触れるコンテンツに仕立てることで魅力的な空間を創出し、HANEDA INNOVATION CITYの体験価値をあげることに貢献しています。
- クライアント : 鹿島建設株式会社、空港施設株式会社
- 監修 : 国立研究開発法人理化学研究所
- プロデューサー : 岡村 徹 / 遠藤 七施 / 杉山 諒
- プランナー : 濱谷 俊輔 / 室橋 織江
- アートディレクター : 鳥居 真雄
- テクニカルディレクター : 新村 卓宏 / 杉山 諒
- デザイナー : 徳増 勇太 / 風間 和孝
- エディトリアルディレクター : 室橋 織江
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