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完璧な時代に、なぜ「手作り」の映像が響くのか? 制作現場で気づいたアナログの持つ「温度」

完璧な時代に、なぜ「手作り」の映像が響くのか?  制作現場で気づいたアナログの持つ「温度」
Update

この記事でわかること

・生成AI時代にあえて「アナログ表現」を取り入れるマーケティング上の価値
・不完全さや「仕掛けのムラ」が視聴者に与える安心感と親近感
・背景AI×人物アナログ手法(友成空さんMV事例)に見る、映像の「温度感」の作り方
・デジタルで効率化し、アナログで感情を動かすこれからの映像制作アプローチ

みなさん、こんにちは。アマナのムービープランナー・ディレクターのMACOです。
日々さまざまな広告やプロモーションの企画・制作に携わっている私ですが、最近ある「問い」をいただくことが増えました。

それは、「AIやデジタルがこれだけ活発化している時代に、なぜあえてアナログな手法を選ぶのですか?」というご質問です。

きっかけとなったのは、私自身が最近担当させていただいた2つの仕事でした。
一つは、全編を通して人の手で作られた「牛乳石鹸さんのピタゴラ的(からくり)動画」。そしてもう一つは、AIを活用しつつも人物と撮影はあえてアナログで行った「友成空さんのMV『ペダル』」です。

どちらの作品でも共通して「なぜ今、アナログなのか?」と聞かれたことで、私自身、改めて「アナログのよさ」とは一体何なのかを深く考える機会となりました。

 

1.仕掛けの「ムラ」が安心を生む――牛乳石鹸のピタゴラ的(からくり)動画から

まず、牛乳石鹸の動画について。こちらはCGなどのデジタル技術を使わず、全編を人の手によるからくり装置で制作しました。

ここで私自身が強く感じたアナログの良さは、仕掛けが成功するかどうかの「ハラハラ感」や「ワクワク感」、そして「先の読めない動き」です。

人の手で作られた仕掛けや小道具には、どうしても「やわらかさ」や「ムラ」が生まれます。

計算し尽くされたCGとは異なる、少し不器用な動き。でも実は、そういった「不完全なもの」こそが、見ている人をホッと「安心」させたり、優しい気持ちにさせているのだと気づきました。

 

 

2.完璧な時代だからこそ見直される「楽しさ」

今の時代、綺麗すぎるものや美しいものは、デジタルや生成AIの力で極限まで再現できるようになりました。リアルさという点においても、「これ以上のものはない」というところまで到達していると感じています。

だからこそ今、あえてフィルムカメラで写真を撮ったり、シールを手帳に貼ったりする文化が流行しているように、「人の手を介したものの楽しさ」に人々は改めて魅力を感じているのではないでしょうか。私自身もその一人です。

完璧な正解がすぐに出る時代だからこそ、予想通りにいかない手作業の手間暇が、かえって新鮮で魅力的に映るのだと思います。
 

3.予想できない感覚と「温度」――友成空さんMV『ペダル』から

この感覚は、もう一つの事例である『友成空さんのMV「ペダル」』の制作でも同じでした。

本作では、背景素材に最新のAI技術を活用しながらも、人物の撮影そのものはアナログな手法にこだわりました。なぜなら、演者さんの息遣いや呼吸、ふとした動き、小道具の見え方や服装のシワといった要素は、アナログだからこそ意図しない形で現れるからです。

AIが導き出す「最適解」に対して、現場で生まれる演者さんの生々しい動きや空気感を掛け合わせる。それによって、見ている人にあえて「予想のできない感覚」を与え、「手触り感」や「温度」をしっかりと感じてもらえる作品になったと思っています。

 

 

4.まとめ:現場でクロスする「人」と「考え」が作るもの

もちろん、AIやデジタル技術は私たちの表現を支える強力な「ツールのひとつ」です。
コストの削減や制作の効率化、そしてクオリティの担保として活用できる場面は数多くあり、今後のクリエイティブ制作において欠かせない存在です。

しかし、どれだけ技術が進化しても、アナログが持つ「温度感」や「人感」、計算しきれない「不確かさ」、見る角度によって変わる「多角面の見え方」、そして「視聴者の創造性を残す(想像する余白がある)」という魅力は、これからも間違いなく残り続けていくと感じています。

映像の撮影現場は、まさにそれを体現しています。そこにあるのは、決して私一人で作る世界ではありません。現場に集まる多様な「人」や「考え」がクロスし、ぶつかり合い、混ざり合う。その瞬間に思いがけず生み出される画や映像の楽しさ、圧倒的な魅力がそこにあります。

デジタルで効率とクオリティを高めつつ、現場の熱量やアナログの余白を作品に焼き付けていく。
効率だけでは測れない、心が動くようなクリエイティブが必要な際は、ぜひお声がけください。
泥臭く、そして新しい体験を一緒に作っていけたら嬉しいです。

 

記事のサムネイルとして作成した手書きイラスト

 

記事のサムネイルとして作成した手書きイラストも、実は私自身がアナログで描いたものです。デジタル全盛の今だからこそ、手書きの良さを感じてもらえたしょうか?

文・作画:MACO(アマナ) 

 

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