レシピの「オープンソース化」で カレーは新たなる領域へ

イベント内容
そしてイベント開催にあたって、トーク内容を少しだけ先行公開。ご興味ある方は奮ってご参加ください。
キーワードは「レシピのオープンソース化」
―「カレーとビジネス」というキーワードを結び付けると、究極のカレーは何かとか、いかに売れるカレーをつくるか、といった方向になりそうですが、そういったものとは違った切り口でトークを展開していきたいと思っています。
水野仁輔(カレーの人/以下、水野):そうですね。僕がやりたいことを一言で言うと、「日本のカレー文化を進歩させること」です。そこでいちばんのネックになっているのは、カレーをつくるためのテクニックや情報がブラックボックス化されてしまっていることです。
―たしかに「おいしいカレーのつくり方」の本はたくさんありますが、店主自ら資産でもあるレシピを公開して広く知らせるということはないですよね。
水野:そうなんです。門外不出、秘伝の味。そんなふうにして、日本のカレー業界は100年近くやってきているわけです。たとえば一般的に「玉ねぎをあめ色になるまで炒める」という考え方があります。これはおいしさの秘訣として定説ですが、そもそも本当にそうなんですか、もっとおいしくなる方法はないのかと改めて問いたいのです。そこでキーワードとなるのが「レシピのオープンソース化」です。
―オープンソースという言葉はITの世界で用いられているものですが、それをカレーでも適用しようということですか。
水野:情報技術の分野では、さまざまなソフトウェアのソースコードが無償で公開され、誰もが利用・改良できるようになっています。そこには市場に出回ることでさらにいいプロダクトへと成長させる目的があるのですが、これは閉じたカレーの世界でも通用するのではないかと。
―なるほど、興味深いアプローチですね。ただ、レシピを考えるシェフの立場から考えてみると、ライバル店ができたり家庭で真似されたりすることを恐れて敬遠しそうな気がしますが。
水野:そういう見方もありますが、実はそうとも言い切れないのです。詳しくはトークイベントでお話しますが、むしろそうしたほうが客足は増すのではないかとも思っています。
コンテンツとしてのカレー
水野:カレーというものをとことん突き詰めていくと「おいしい/おいしくない」の基準で収まらない、別の価値観が生まれてくるんです。
―どういうことでしょうか?
水野:カレーは他の料理にはない独特な性質をもっています。そのひとつが「ストーリー」です。たとえば子どものときに母親につくってもらったカレーの味や、上京して初めてつくったカレーの味、キャンプ場で仲間と一緒につくったカレーの味、というようにカレーは個々人の想いが色濃く反映された、特異な存在なんです。ラーメンでは同じようにならないかなと。
―ラーメンも国民食ですが、一緒に体験を共有するというよりあくまで個人プレーで、他者を巻き込むことがあまりないですね。
水野:カレーと20年近く向き合ってきてはっきり感じることは、「カレーには人をつなげる力がある」ということです。カレーを「つくりたい」「食べたい」となれば人が集まるし、「食べさせたい」「もっとおいしくしたい」となれば好奇心や探究心を刺激します。本当にさまざまな可能性に開かれたコンテンツだと思います。オープンソース化によってカレーが料理という枠組みから解放されたとき、その先に“巨大な何か”が眠っているような気がするんですよね。
スピーカー
INFO
- 開催日時
- 2018年6月4日(月) 17:00~18:30
- 申込締切
- 2018年6月3日(日)16:00
- 料金
- 2,500円
- 定員
- 72名
- 開催場所
- 東京都品川区東品川2-2-43 amana square
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