

高さが36mあり実写撮影が困難だったクリスマスツリーを3DCGで再現。
ツリー以外の実写の撮影の検証でも3DCGを使用するなど、
こだわり抜いて作られた作品。

実写では表現が難しいシチュエーションや被写体などのビジュアルを制作する3DCGクリエイター。
今回はその一人である福井雅也さんにお話を聞きました。
「私は新卒からずっと同じ会社です。浮気はしないタイプなんです(笑)。
私が学生の時は、3DCGというものが出始めたころで、
現在広く使用されているようなソフトウェアはありませんでした。
学校でも、3DCGの授業は週に1回程度で、
主なカリキュラムは、デッサンをしたり、写真を撮ったり、様々な表現手法でした。
でもその環境がすごく良かった。
それが僕の土台というか、表現の幅を育ててくれたと思っています。
今の時代は、どれだけ3DCGのソフトを扱えるか?
みたいな技術的な部分に目がいきがちですけど、学生の皆さんには、
もっとアナログ的な表現の幅というか、感性のようなものを育てる時間を持ってほしいと思っています。
あとは自分とは違った職種や趣味をもった色々な人と話をして刺激をもらってほしいな。」

「私自身今でも、その刺激は仕事を通してもらっています。
アマナでは、自分一人で完結するというような仕事も大事ですが
いろんなグループ会社の人たちの力を結集して作品作りが出来る楽しさがあります。
CGを作る上で必要な素材も、アマナ所属のフォトグラファーの方と相談をしながら撮影してもらいます。
そういった相談をしていると新しい課題が見えてきたり、表現の幅も広がってくる場合がある。
良い例としては、今回紹介する案件がそうですね。
これは大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」のクリスマス期間に展示されるツリーのCMなのですが、
ツリーが高すぎて撮影が困難でした。
なので、3DCGでこのツリーの部分を作成し、実写での撮影と組み合わせて一つの動画としています。
撮影がスムーズにいくように、事前にカメラワークなど色々と検証を3DCG上で行い、
フォトグラファーの方とも相談しながら、制作したのがこの作品ですね。
お客さんの顔に写る照り返しなど、細部にまでこだわりました。
本当にイベント会場にいるように見えるでしょう?この作品ではそれを追求しました。」

「案件によって、3DCGに要求されるものは違います。
先ほど紹介した案件のようにリアルな表現の場合や、
キャラクターなどのかわいらしい動きの場合など、要求される表現の幅は多岐にわたり、
3DCGクリエイターにも対応力が要求されます。
それはソフトウェアを使いこなせるとかの技術的な側面とは別の側面で、
クリエイター個々が持っている感性によるところが大きい。
CGは地味に時間がかかる作業も多いので作業時には
完成イメージをちゃんと頭に浮かべながら進める必要があるんです。
無計画にすすめると無駄にやり直しが増えて時間ばかり過ぎていくことになる。
だから、そういった感性を磨くことを若いクリエイターの方々にはもっと取り組んでほしいですね。
3DCGのビジュアルを作るだけではなくて、絵を描いたり、写真を撮ったり、
色々なことにチャレンジして積極的に磨いていってほしいと思います。」

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「3DCGは、理系的な理論だけではなく、文系的な感性も兼ね備えていないと作れないと私は思います。
また逆に感性だけあっても理系的な部分ももっていないとうまくCGを構築できないのも事実です。
組み合わせといいますか、ある種のバランス感覚のようなものかもしれません。
また3DCGを作るとき、そのものをしっかりと観察するのはもちろん、
日常生活でも些細なことを見て、感じていきたいと思っています。
その行為が表現の幅を広げてくれる可能性があるからです。
あとは「自分はこうなんだ!」ってあまり固着せず、制作している段階でも物事を多角的に見るようにして、
自分だけではなく他の人が見てもいいと思ってもらえるような作品を作っていきたいなと思っていますね。
それが私の仕事を楽しむコツでもありますし、人生を楽しむコツでもあるかな。」